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JR浦和駅東口から国道沿いに車を走らせていると、右手に和菓子屋さんを思わせるような和風の建物が姿を現わす。 同店の創業は昭和30年。「父が初代、姉が2代目で、その後を私が継ぎました」とのことだが、川上先生は20代初めまで演劇の道を目指して大学の芸術学部に通っていた。最初は店の手伝いをしながら芝居の勉強をしていたそうだが、「漢方の諸先生の講演を何度か聞くうちに東洋医学の素晴らしさに開眼し、漢方薬店として歩むことを決意しました」と振り返る。それ以来勉強と研鑽を重ね、漢方薬店として揺るぎない地位を確立している。店頭の看板やホームページにご自身の顔写真を掲示しているところに、お客様への責任感と自信があらわれている。 今後の目標は「翁のような存在になること」だと言う。
漢方薬と自然化粧品を軸にお店を経営する川上薬店は、業態と立地から婦人科疾患に特化した店づくりを志向。 |
脾胃機能の低下に加え、 社会生活での ストレスや食生活の乱れが 背景に 川上薬店では顧客層の中心が「20〜80代の女性」ということから、漢方相談の軸を婦人科疾患においているそうだが、その中でも「お肌のトラブルや皮膚疾患」が非常に多い。 「1つは開店当時から化粧品に力を入れてきた関係で女性客が多いというお店の特性があります。そのため『女性と漢方』をテーマに取り組んできたのですが、漢方を始めた当初、吹き出物のお客様に『当帰芍薬散+ヨクイニン』で非常に良く効いた経験があるので、それ以来、自信を持って漢方の柱としています」と川上先生は振り返る。 お肌は口コミにつながりやすいことも、力を入れている理由の1つにあるようだ。 お肌のトラブルで最も多いのは月経疹と言われる成人型ニキビ。口の周りやあご、首筋にかけて症状が出る吹き出物に悩む20〜30代の女性が圧倒的に多いという。 「食生活の変化、月経トラブル、脾胃の問題や肝鬱が背景にあるのではないか」と川上先生は指摘する。 |
ホームページ上での 相談にも きめ細かく対応
例えば、『○○様の場合は必要な血液が不足して血流が悪くなり、毒素が皮膚の表面から出ています。良い血液を補い、血液の流れを良くして停滞した老廃物を取り除いたり末梢の血行を良くすれば自然にお肌に栄養が行き、吹き出物がなくなります』という内容。ここでは具体的な処方名までは書き込まず、より詳細な情報が必要な場合は改めてメールでやり取りする。 回答までは無料で行っているそうだが、遠方からの問い合わせも少なくない。ネット相談で特に気をつけているのは月経の情報の正確性。月経周期、経血の色・質・量はもちろん、生理時の痛みの有無、痛み方、痛む時期、血塊の有無・大きさなど「月経の項目は忘れないで教えてください」とお願いしていると言う。 「メールでのご相談うち1割がお客様となります。01年から始めて数え切れない数の相談にお答えしています」と川上先生。 |
お肌の状態、 月経の状況、 食生活の状況で 対応策を決める お肌のトラブルのへの対応は、1)お肌の状態、2)月経の状況、3)飲食を中心とした食生活を確認するところから始まる。 「お肌の状態は虚実を見極める大きな材料です。『患部が大きい、赤い、痒い、痛い、腫れている』といった所見が見られる場合は『実』と考えられますし、反対に『患部がポツポツで小さい、赤くない、腫れや熱がない』場合は『虚』と考えられます」と川上先生は説明する。 虚実の割合は虚が9割を占める。10代の若い女性は比較的実のほうが多いそうだが、20〜30代以降になると、圧倒的に虚になると言う。ただし最近は、10代でも虚が増えている。ちなみにホームページ経由での相談で、お客様が遠方で来店できない場合は、皮膚の写真を送ってもらい、「どういうときに悪化するか? 月経前はどうか?」といったことを直接電話で確認して弁証の判断をしていく。 使用する漢方薬を挙げていただくと、虚のほうでは当帰芍薬散、逍遙散、参苓白朮散、六君子湯、人参養栄湯、実の治療には清上防風湯、防風通聖散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸などを用いることが多い。難治性の症状と判断した際は、これらの漢方薬に加え、ケアリプラやケアピローサといった健康補助食品を用いると言う。 |
食生活の状況を 詳しくヒアリング、 病気の原因を 本人に自覚してもらうため 治療に際してのもう1つのポイントは、どのような生活を送っているのか、「体質や飲食を中心とした生活背景」を詳しくヒアリングすること。 「最近は食生活が乱れています。肌のトラブルに悩んでいる女性にお話を聞くと、『朝はパン1個とゼリー』と言ったように、年齢に関わらず、あまり褒められた食生活をしていません。『朝、食べられない』という方も少なくありません」 |
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虚実挟雑などを考え初回は 15日分4カ月以上の 服用を事前に話す 初回の処方日数は15日分が基本。 服用は最低でも4カ月は続けていただくようにしている。 |
●49歳・女性、やせ型 ●処方 1年経った現在も2つの漢方処方とケアリプラを服用しており、痛みもなくお肌の張りやつやが戻ってきたと言う。 |
アトピー性皮膚炎 ●26歳・女性、中肉 ●処方 現在は予防のために当帰芍薬散、杞菊地黄丸、ケアピローサを服用しているとのこと。 「年頃のお嬢さんでお母さんも心配されていたのですが、見違えるようにきれいになりました。お肌がよくなってから結婚され、すごく喜ばれました。今ではお母さんとお父さんにも漢方薬を服用していただいています」(川上談) |
◆症例を中心とした実践的な講座でバックアップ◆ 漢方療法推進会・関越支部長としてリーダーシップを発揮し、会の運営に奮闘する川上先生は、「新しい会員さんを増やすことが目下の最重要課題です」と話す。 そのため、同支部独自企画で種々のパンフレットを作成するほか、カウンセリングに役立つ実践的な講座を企画するなど、意欲的に取り組んでいる。 「推進会には個々の疾患に対応できる中医学のノウハウがあります。これから生き残るためには、きちんとした中医学を身につけることが大切です。新しい会員さんと一緒に盛り上げていきたいですね」(川上談) |