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「卵子老化の真実」を読んで
 
 

 河合蘭さん著の「卵子老化の真実」を読んだ。

 第一の感想は、ただ単に「卵子の老化」について慄いたり警告したりするのではなく、高齢初産に直面する人々の気持ちに寄り添って書かれているということです。そして「卵子の老化」が「不妊と治療」にどう影響するのかについては、高度生殖医療に関わる専門家や医師への丁寧な取材によって、図表を使って非常に分かりやすく説明されていました。

 また「出産年齢」についての取材は興味深いものでした。現在、35歳以上の高齢出産は卵子の老化により難しくなるというデータが出ています。しかし、戦前は40歳ぐらいで出産するのはざらで、その理由は20代で初産を経験しているので30代後半以降も体が妊娠・出産に慣れていたからということです。「出生前診断」に関しては、メリットの部分よりも検査や診断によって精神的に負担を感じる人々が多いことが紹介されていました。

 結論としては、卵子の老化はもちろんあって、知っておかなければならないことだけれども、それを知ったうえで人生設計をしていくことが大切だし、働きながら妊娠・出産をしやすい環境を、自分でも社会でも作っていくべきだという話でした。

 ただ、不妊治療に関しては専門外来に頼るのが一般的ですが、病院での治療がすべてではないことをもっと取材してほしかったです。我々、漢方薬局・薬店は、「妊娠しやすい体作り」をサポートするという点で社会貢献できます。自然妊娠、タイミング法、不妊治療(人工受精・体外受精・顕微受精)と様々なレベルがありますが、漢方療法はすべてのレベルにおいてサポートできるのが良い点です。どんなに生殖医療が発達しても、受精・妊娠する力、着床や妊娠を維持する力は人体という生命体の妊娠力にかかっているからです。

2013629