コラム目次に戻る


おもろい女
 
  2018年10月18日、有楽町のシアタークリエで、藤山直美さんの復帰舞台、
「おもろい女」を観てきました。直美さんは相変わらず元気でしたが、肝心の舞台はかなり物足りないものでした。

 直美さんは一昨年から乳がんの治療で舞台を休んでいらしたので、久し振りの舞台ということで楽しみにしていました。チケット発売日にネットで購入しようとしたのですが、もうほとんど売り切れ状態で、一番後ろの席のそのまた後ろの補助席を、やっと購入することができました。

 舞台は昭和初期、各地の方言を自在に駆使する「しゃべくり漫才」で大活躍した天才漫才師「ミス・ワカナ」と、漫才の相方で夫でもある「玉松一郎」の人生を描いたものです。ワカナはもちろん藤山直美さん、一郎は渡辺いっけいさんが演じました。

 15歳で漫才師の弟子入りをして、たくさんの先輩たち、最初の相方の中で揉まれて、中国に慰問団として行ったり、お世話になった興行師や作家の人たちとの掛け合いが前半の見どころでした。ところどころに直美節と笑いを
誘う動きとポーズは炸裂していましたが、肝腎の夫で二番目の相方との掛け合いは物足りないものでした。役不足もあるでしょうし、演出も突っ込みが足りませんでした。

 中国に慰問団として行った場面では、舞台の背景に戦争の映像が写されていました。私は戦争で中国に行った自分の父親を思い出し、「よく日本に帰ってきたな〜・・」と感慨に耽りました。そういう背景があるので、「おもろい女」は継続して舞台化されたのでしょうし、そのシーンでは胸が締め付けられる感情に見舞われました。

 そして後半は、戦後、中国から帰ってきて、西宮球場で大勢の観客の前で漫才をやることになったのですが、そのシーンでは実際の漫才は披露されずガッカリしました。いつかワカナと一郎のおもろい漫才が爆発すると期待していたのですが・・・。さらにワカナはヒロポン(覚せい剤)の中毒になっていて、薬を打たなければ舞台に立てない状態でした。さらに、夫とは別の男と交際していて、口で言うことと陰でやることが違っていたことにガッカリしました。

 極めつけは、最後のシーンでした。ヒロポンの副作用で心臓発作を起こし死んでしまうシーンなのですが、スポットライトを浴びて苦しむワカナを見せられてお芝居は終了です。すぐにカーテンコールで俳優さんたちが舞台に出てきてお辞儀をするのですが、しっくりきません。拍手をする気になりません。最後、直美さんができてておちゃらけても笑えません。

 私は、原作はそれなりに良かったからロングラン公演できたと思うのですが、舞台としては正直あまり楽しめませんでした。たぶん、共演者とか演出とか舞台を作る心意気とか、そういうものが私の好むものとは違っていたというしかありません。ちなみに、森光子さんが主演のときには、共演が藤山寛美さんや芦谷雁之助さんだったり、演出が三木のり平さんで、きっと面白い舞台だったことが想像できます。

 でも救いは直美さんが元気だったことです。声も出ていたし、動きもしゃべくりも切れがあったし、次回の舞台に期待するとしましょう。





病気・疾患対応&治療・改善方法季節の疾患情報&ニュースお肌のトラブル対策相談コーナーなんでも交流掲示板当店紹介漢方な話健康補助注文コーナーリンク