
(2)痛 み(頭痛、神経痛〔三叉神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛〕、慢性関節リウマチ、関節痛〔膝・ひじ・肩・手首・足首・股関節・首〕、腰痛)
◆痛みの治療ポイント◆
(1) 痛みを引き起こす原因を他の症状と併せて導き出す。
(2) 痛みの性質(寒・熱・虚・実)を把握する。
(3) 痛みの部位を把握する。
(4) 痛む時間(天候・朝昼晩・継続時間)
(5) 病気の段階性(部位の深さ・浅さ、病状の重さ・軽さ)を把握する。※ 端的にいうと、「いつ、どこが、どのように痛むのか?そして、どんなふうにすると痛みが増し、痛みが楽になるのか」ということが解ると治療方法が導き易くなります。
●頭 痛●
急性頭痛
ケース
症状
治療方法
寒い風邪をひいた時 突発性、首筋にかけて、寒冷により痛み強くなる、温めると軽減する、悪寒、悪風(ゾクゾク)、軽度の発熱、鼻づまりなどをともなう 去風散寒・止痛(寒い風邪を追い出して痛みを止める) 熱の風邪をひいた時 痛みは熱っぽく張った感じ、発熱や熱さにより痛みが強くなり、冷やすと軽減する。発熱、口渇、咽喉痛、目の充血、便秘、舌赤っぽい、舌苔黄 去風清熱・止痛(熱の風邪を追い出して痛みを止める) 湿気の風邪をひいた時 頭重感(頭部がつつみこまれたような感じ)、胸部の煩悶感、食欲不振、四肢と体がだるく重い、軟便あるいは下痢、排尿困難など。舌質淡、舌苔白 去風勝湿・止痛(湿気の風邪を追い出して痛みを止める) ストレスによる頭痛 頭部の左側あるいは両側に多い。頭に血が上る、熱感、赤ら顔、目の充血、めまい、耳鳴りあるいは難聴、口が苦い、口渇、便秘、舌赤っぽい 清肝降火・止痛(頭の血を下に降ろして痛みを止める)
慢性頭痛
ケース
症状
治療方法
頭痛意外にコレといった症状は見られない 風邪、情緒変動、疲労、温度変化、睡眠不足などにより繰り返し発生する。 去風疏肝・止痛(血管や神経の流れを良くして痛みを止める) 疲れやすい人の頭痛 連続してシクシクする痛みが多く、過労により痛みが誘発 されたり増強されたりする。息切れ、疲労倦怠感、食欲不振、疲れやすいなどを伴う。舌質は淡、舌苔は薄い白 補気昇清・止痛(元気をつけて栄養が隅々に行き渡り、痛みを止める) 血液不足の頭痛 シクシク痛い、頭がふらつく、体を立てると頭痛が増悪し、横になれば軽減する。顔色が悪い、めまい、動悸、忘れやすい、不眠、皮膚が乾燥、ツメが弱い、髪の毛が細いなど。舌質は淡白、舌苔は薄い白 養血活血・止痛(血液を増やして流れを良くして痛みを止める) 更年期の頭痛 頭部の両側にあり発作性を呈する。おちつかない、いらいら、怒りっぽい、目が疲れる・まぶしい・かすむ、赤ら顔、疲労倦怠感、胸の脇が痛いなどの症状を伴う。舌質は紅、舌苔は薄黄 滋陰平肝潜陽・止痛(血液や潤いを増やし自律神経の過緊張を静めて痛みを止める) 冷え性の人の頭痛 偏頭痛、頭頂部の痛み、悪心、嘔吐、首筋からこめかみにかけての凝り、胸のモヤモヤ感、めまい、手足の冷えなど。生理中に起きる事が多い。舌質は淡白、舌苔は白く濡れている 温肝散寒・止痛(温めて冷えを除き痛みを止める) 重く頭に輪っかをはめたような痛み 頭は重く痛む、めまい、悪心、嘔吐、胸やみぞおちが張って重苦しい、食欲不振、痰やつばを盛んに吐くなどの症状を伴う。舌質は淡、舌苔は白く厚い 去痰降逆・止痛(余計な水分を除き、流れを良くして痛みを止める) 血行が悪い人の頭痛 長年続いている。痛む場所が一定。刺すような痛みや押すと痛い。ずきんずきんする痛み、鈍痛もある。あざができやすい、手術・打撲・捻挫などの経験がある。顔色や唇の色が黒っぽい。舌質は暗紫色、舌の裏側の静脈が浮き出ている場合が多い。 活血化 ・止痛(流れの悪い汚れた血液を除いて痛みを止める)
◆痛み項目◆頭痛、神経痛(三叉神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛)、慢性関節リウマチ、関節痛(膝・ひじ・肩・手首・足首・股関節・首)、腰痛
●神経痛●
神経痛は痛む場所によってそれぞれ名称がついています。
三叉神経痛 顔面の片側が激しく痛む神経痛で、俗に顔面神経痛といわれている。一過性の刺すような痛み、あるいは焼けるような痛みが数秒間ないし数分間、三叉神経のいずれかの領域にみられるのが特徴です。風にあたる、髭剃り、あくび、嚥下、歯磨き、冷たい水での洗面等にともなって誘発されることがあるが、また何らの誘因もなく突然激しい痛みが起こることもある。 肋間神経痛 胸部や腹部におこり、痛みは発作性に激しくなり、深呼吸、せき、大きい声などで痛みが誘発されるほか、ひどい時には同側の肩甲部や背中に放散する。 坐骨神経痛 おしり、大腿後面、ふくらはぎなどに痛みが走る。 帯状疱疹による神経痛 帯状疱疹の発病は外因が毒邪(ウイルス)の侵入であり、内因が肝胆の湿熱(飲酒や暴飲暴食によって体内にできた不要物)などです。湿熱と毒邪が皮膚に停滞するために疱疹や痛みを引き起こす。
三叉神経痛
ケース
症状
治療方法
風寒凝絡(冷えと風の邪が入る) 顔面に発作性の激痛、寒冷刺激により痛みが強くなり、温めると楽になる。
舌質は痰、舌苔は薄白疏風散寒・温経止痛 風熱傷絡(熱と風の邪が入る) 熱感をともなう痛み、焼けるような顔面痛、局部を冷やすと痛みが軽減する。イライラして落ち着かない。赤ら顔、口渇など。
舌質は紅、舌苔は薄黄疏風散熱・止痛 風痰阻絡(余分な水分と風の邪が入る) しびれ、張っている感じ、頭重、めまい、悪心、嘔吐、胸部や季助部が張って重苦しい、痰や唾を盛んに吐くなど。
舌質は肥大、舌苔は白厚去風化痰・通絡止痛 胃火上攻(胃に火の邪が入る) 口内の粘膜、唇、歯肉に焼けるような痛みがあり、その一部に触れると痛みが誘発される。あるいは、その場所に熱感をともなう張痛がある。赤ら顔、目の充血、口臭、口渇、便秘など。
舌質は紅、舌苔は厚い黄清胃瀉火・散熱止痛 肝胆欝熱(ストレス) 発作性に焼けるように痛む。情緒の変化により増悪する。いらいらする、落ち着かない、怒りっぽい、赤ら顔、目の充血、口が苦い、便秘など。
舌質は紅、舌苔は黄清肝瀉熱・降火止痛 陰虚陽亢(更年期) 顔面に張る痛み、筋肉のチック、しびれがみられる。いらいら、ほてり、のぼせ、顔面の潮熱、めまい、耳鳴り、煩悶、不眠、腰や下肢の脱力感など。
舌質は紅、舌苔は少ない滋陰潜陽・熄風通絡 気血両虚(病気が長引いた) 痛みはひどくないが、なかなか治らない。疲れると痛みがひどくなり、休むと軽減する。顔色が悪い、疲労倦怠、食欲不振
舌質は淡、舌苔は白益気養血 血 阻絡(血流不全)
刺すようにいたむ。発作が頻発し、治り難い、痛い場所が一定しており、押さえると痛みがひどくなる。夜になると痛みがひどくなる。顔色が灰暗色
舌質は暗紫色、黒い斑点が出ていることがある。活血化 ・通竅止痛
肋間神経痛
ケース
症状
治療方法
熱鬱少陽(熱がこもる) 胸部や脇肋部が痛む、呼吸すると増強する、寒くなったり熱くなったりする、胸脇苦満、口が苦い、咽喉部の乾燥感、あるいは落ち着かない、気持ち悪いなど。
舌質は紅、舌苔は薄黄和解少陽・疏泄肝胆(体の外と内の交流を良くして自律神経の熱を冷ます) 痰飲停積(飲食不摂生) 脇肋部の痛み、咳や深呼吸や体位変換で痛みが激しくなる.薄い白色の痰、胸脇部が脹ってつかえる。あるいは重苦しい。
舌質は淡、舌苔は白厚化痰逐飲・理気通絡 肝気鬱結(ストレス) 胸脇部が脹って痛む。痛みが感情の変化によってひどくなったりかるくなったりする。胸部に煩悶感がある。抑鬱、イライラして怒りっぽい、腹部の膨満感、食欲不振
舌質は淡紅、舌苔は薄白疏肝理気・通絡止痛 血 停着(血流不全)
胸脇部に刺すような痛みがある。痛む場所が一定している。夜になると痛みが激しくなる、時に局所の発赤・腫脹や腫瘍がみられる。また腋かリンパ節が腫大することがある。
舌質は暗紫色で舌辺縁に黒っぽい斑点を見る。舌苔は薄白活血化 ・通絡止痛
肝陰不足(血液栄養不足) 胸脇部に鈍痛、目のかすみ、四肢のしびれ、皮膚につやが無い。
舌質は淡養陰柔肝
坐骨神経痛
ケース
症状
治療方法
湿熱阻絡(熱と湿気) 臀部や下肢の後面に焼けるような、持続性あるいは発作性の痛み、或いは熱感やしびれを伴う脹痛、しばしば発熱、心煩、口渇などの症状を伴う。
舌質は紅、舌苔は黄厚清熱利湿・通絡止痛 寒湿阻絡(冷えと湿気) 腰や下肢の持続性鈍痛、痛みは臀部から下肢の後面へ放散する。寒くなると増強し、温めると軽減する。寒い日や雨の日に痛みが誘発される。しばしば寒がりや四肢の冷えなどを伴う。
舌質は淡、舌苔は薄白散寒除湿・温経通絡 血 阻絡(外傷・捻挫の後遺症)
刺すように痛む。あるいは切れるような痛みがあり、圧痛もひどい。下肢のしびれ、夜間になると痛みがひどくて目が覚める。痛みが長引き治り難い。
舌質は紫暗あるいは黒っぽい斑点、舌苔は薄白活血化 ・通絡止痛
肝腎虚損(老化・慢性化) 腰や下肢後面の痛み、しびれ、疲労によって痛みが誘発され、下肢のこわばり、腰や下肢の無力感、全身の疲労倦怠感などを伴う。
舌質は淡紅、舌苔は少ない益肝腎・補気血・舒筋通絡 腎陽虚(老化・寒がり) 腰や下肢後面の持続性の痛み、しびれ、腰や下肢の脱力感、四肢の冷え、寒がりなどを伴う。
舌質は淡、舌苔は薄白温陽補腎・通絡
帯状疱疹による神経痛
ケース
症状
治療方法
肝胆湿熱
[病因病機] 毒邪(ウイルス)は肝胆のバランスが失調しているときに侵入し、肝胆の経路が支配している皮膚に停滞するため疱疹や痛みが現れる。急性期に見られる。
胸部あるいは顔面、上肢に赤い疱疹が現れ、帯状に分布し、水疱が玉のように腫れる。焼けるような激しい痛み、しばしば口や咽喉部の乾燥感、煩燥、怒りっぽい、便秘などの症状を伴う。
舌質は紅、舌苔は薄黄瀉肝胆実火・清熱利湿 気滞血
[病因病機] 病気が長引くと、気の流れが滞るとともに血の流れも滞ってしまう。
疱疹がなくなっても激しい痛みは止まらない。しばしば両脇の脹痛、不眠、胸脇苦満などの症状を伴う。
舌質は紫暗、黒っぽい斑点、舌苔は薄白疏肝理気・活血化 寒湿滞絡
[病因病機] 疱疹がなくなっても、寒湿邪がまだ残って経脈に停滞していると気血の運行を阻害し痛みを引き起こす。
気候が寒くなると、特に冷たい風にあたると痛みを誘発したり増強したりする。しばしば四肢の冷え、寒がり
舌質は淡暗、舌苔は薄白散寒除湿・通絡止痛 気血両虚
[病因病機] 病気が長引き気血が不足すると、顔面・肋間の経脈を滋養できず痛む。
痛みはひどくないが、なかなか治らない。疲れると痛みがひどくなり、休むと軽減する。顔色が悪い、疲労倦怠、食欲不振
舌質淡、舌苔白益気養血
◆痛み項目◆頭痛、神経痛(三叉神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛)、慢性関節リウマチ、関節痛(膝・ひじ・肩・手首・足首・股関節・首)、腰痛
●慢性関節リウマチ●
慢性関節リウマチは、関節の腫脹、疼痛、変形などの症状を伴って慢性に経過する多発性関節炎です。
四肢の関節には滑膜の炎症、肉芽性増殖がおこり、病変が進行すると関節の拘縮、変形、強直などの症状がよく見られます。
西洋医学では、抗リウマチ薬、ステロイド、痛み止めなどを使用しますが、漢方では、原因・症状・体質にあわせて薬を選びます。長期化する場合は、西洋薬と漢方薬を併用して治療すると良いでしょう。[病因病機] 本病の病因には内因と外因があります。内因は、肝脾腎の機能失調および正気の虚弱で、免疫能力の異常や抵抗力の低下をさします。外因である風、寒、湿、熱邪などが、体が虚弱している時に侵入して、気血の運行障害を引き起こし、関節の疼痛や腫脹をもたらします。実際には産後や無理をした後、ストレスや心労が重なって起きる場合が多いです。正気の虚損が進行して、臓腑の陰陽バランスが崩れると、慢性化して肢体の変形や機能障害をもたらします。
主に外因(実邪)「急性期」
ケース
症状
治療方法
熱感・発赤・腫脹を伴う痛み 四肢関節に起こり、関節を冷シップで冷やすと気持ちがいい。しばしば発熱、発汗、口渇などの症状を伴う。
舌質は紅、舌苔は黄清熱利湿・疏風痛絡 関節の冷感・腫脹・疼痛 気候が寒くなると痛みが増強し、温めるとやわらぐ。しばしば寒がり、体が重たい、四肢の冷えなどを伴う。
舌質は淡、舌苔は薄白散寒除湿・温経通絡 外因と内因の混合型(虚実挟雑)「移行期」
ケース
症状
治療方法
結節・変形・腫脹・痛みが激しい 曲げ伸ばしが難しくなって、痛みやしびれが激しくなる。 が多いときには、関節が赤く腫れ、口が渇くのに水分を少ししか飲めない、固定性の鋭く強い痛み、ときに紫斑が現れる。
舌質は暗紫色、黒っぽい斑点去痰化 ・通経活絡
主に内因型(虚)「慢性期」
ケース
症状
治療方法
肝腎虚損(40代以降の女性に多い) 四肢・関節の変形や無力、関節痛、筋肉の萎縮、関節活動の不自由、しばしば腰や下肢の脱力感、めまいなどを伴う。
舌質は紅、舌苔は少ない。益肝腎、補気血、活絡止痛 気血両虚(疲れやすい胃腸虚弱の方に多い) 関節の変形や四肢の無力感、寒冷や疲労によって関節が痛くなる。四肢の筋肉の萎縮、痩せる、しばしば顔色が悪い、食欲不振、全身の疲労倦怠感などを伴う。
舌質は淡、舌苔は薄白益気養血・活血通絡 脾腎陽虚(寒がり・老人・長期慢性型) 関節の沈重感、腫脹、痛み、それらが長期的に繰り返され、関節の変形、四肢の無力感、手足の冷え、ときに肢体の浮腫、関節内の水の貯留、食欲不振、疲労倦怠感、腰や下肢の脱力感などを伴う。
舌質は淡、周辺には歯痕があり、舌苔は白または透明で濡れている事が多い。温陽散寒・益気健脾・化湿止痛
◆痛み項目◆頭痛、神経痛(三叉神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛)、慢性関節リウマチ、関節痛(膝・ひじ・肩・手首・足首・股関節・首)、腰痛
●関節痛●
関節に痛みが起こる部位として、膝・ひじ・肩・手首・足首・股関節・首などがあります。
病因や症状の現れ方・それに対する治療法は、部位が変わっても似ています。したがってここでは比較的頻繁に起こる「膝関節痛」(ひざの痛み)をとりあげます。他の部位は、これを参照してください。膝関節痛(ひざの痛み)
ケース
症状
治療方法
風邪とむくみが原因 悪寒、(発熱)、膝の急な腫れと痛み、むくみ、汗が出ない、尿量の減少、ぜんそくの様な症状を伴う時もある。
舌質は淡紅、舌苔は白利水消腫・宣肺健脾(余計な水をさばいてむくみを取り、肺と胃腸の働きを助ける) 冷えと湿気が原因 膝関節の冷痛や腫脹、寒がり、気候が寒くなる、あるいは雨の日に痛みが増強する。痛いところが固定しており、ときに下肢の重たい感じやしびれ感をともなう。
舌質は淡、舌苔は白厚散寒除湿・通卑止痛(冷えと湿気を除いて流れを良くして痛みを止める) 血液不足に湿気が入る しびれを伴い、引きつるような痛みが続く。痛みが夜間に強くなる。皮膚につやが無い。筋肉がひきつる。物がぼやけて見える。髪の毛がやせてつやがなくなる。
舌質は淡、舌苔は白去風湿・補血活血(風湿を除き、血を増やし廻りを良くする) エネルギーと栄養(血)の不足 膝関節の無力感、正座時や階段を降りる時に痛む、あるいは立ち上がる時に痛くなる。寒冷や疲労により痛くなる。しばしば顔色が悪い、下肢の無力感、全身の疲労倦怠感をともなう。
舌質は淡紅、舌苔は薄白益気養血・活絡止痛(元気と血液を増やし流れを良くして痛みを止める) 加齢・老化が原因 膝関節の変形や無力、正座時や階段を降りる時、あるいは立ったり座ったりする時に痛みが強くなり困難となる。歩行時の痛みも増強し、関節可動域の制限も多くなる。 滋補肝腎(おおもとの栄養・潤いなどを増やして関節の流れをスムースにする) 加齢・老化・温める力不足 膝関節の沈重感、腫脹、痛みなどを繰り返す。関節の冷感、無力感、下肢の冷え、寒がり、浮腫、関節内の水の貯留、食欲不振、疲労倦怠感などをともなう。
舌質は淡、舌の周辺に歯痕があり、舌苔は白か透明で濡れた感じ。温経助陽・健脾養血(温めるエネルギーを補って治す元気と栄養を増やす) 血液の滞りがひどい 膝関節に刺すような痛みがあり、痛いところが固定し、圧痛がひどい、しばしば関節可動域の制限、転んだり捻挫したりした外傷歴、筋肉の萎縮などをともなう。
舌質は淡暗あるいは紫暗、舌苔は薄白活血化 ・通絡止痛(滞つた悪い血液を除き、さらさら血液が流れるようにして痛みを止める)
◆痛み項目◆頭痛、神経痛(三叉神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛)、慢性関節リウマチ、関節痛(膝・ひじ・肩・手首・足首・股関節・首)、腰痛
●腰 痛●
腰痛では、「ぎっくり腰」のような急性のものや、椎間板ヘルニア・脊椎分離症など外科的に原因がはっきりしているものもありますが、約50%は原因不明のものと思われます。しかし、漢方薬は「急性」、「慢性」にかぎらず、原因不明の腰痛にも対応できます。
また、東洋医学では「鍼」、「灸」、「整体」、「温泉療法」など有効な手段がいろいろあり、これを併用すると効果的です。●急性腰痛
初期
ケース
症状
治療方法
軽いぎっくり腰 腰部の脹痛、痙攣性疼痛、腰部の活動が不自由、局部の皮膚の色は正常。
舌質は淡紅あるいは黒っぽい斑点、舌苔は薄白行気活血・通絡止痛(滞った血液の流れを良くして止痛) 重いぎっくり腰 腰痛が激しい、刺すような痛み、あるいは切られるような痛み、ちょっとした体の動きでも強い腰痛がある。痛いところの皮膚が腫れ、色が青紫であるなど。
舌質は紫暗、黒っぽい斑点、舌苔は薄白活血化 ・通絡止痛
回復期
ケース
症状
治療方法
長期間の疲労 腰痛、腹部の活動不自由、しばしば腰や下肢の脱力感痛み、体の疲れ、めまい、過労によって腰痛が悪くなる。
舌質は淡紅、舌苔は薄白壮腰補腎・化 止痛
冷えや湿気が侵入 腰痛、腰部が重苦しい、活動不自由、曇りや雨の日に腰痛が増強する。腰部を温めると痛みが軽減されるなど。
舌質は淡、舌苔は薄白去風除湿・温経散寒・通絡止痛 ●慢性腰痛
ケース
症状
治療方法
冷えや湿気が侵入 腰部の冷痛、重苦しい、活動不自由、曇りや雨の日に腰痛がひどくなる、腰部を暖めたりもんだりすると痛みが軽減する。
舌質は淡、舌苔は白厚い。温経散寒・除湿止痛 血液がひどく滞る 腰部を刺すような痛み、痛いところが固定しており、活動の不自由、痛いところの皮膚が青紫色になる。
舌質は紫暗、黒っぽい斑点、舌苔は薄白。活血化 ・通絡止痛
ストレス、緊張 腰から脇肋部に疼痛がおよび、緊張やストレスのよって誘発されたり増強し、肝気の昇発する夜明け頃に疼痛が強くなる。 疏肝行気・止痛 長期間の重労働 腰部が硬く、活動が不自由、痛みは疲れると増強する。 益気活血・止痛 長年の腰痛で寒がり 腰痛、腰部の活動不自由、しばしば腰や下肢の脱力感、腰が疲れやすい、ちょっと仕事をすると腰が疲れて痛くなる。寒がり、四肢の冷え、夜間の頻尿などを伴う。
舌質は淡あるいは淡紫、舌苔は薄白。壮腰温腎・活絡止痛 長年の腰痛でほてる 腰痛、腰部の活動不自由、しばしば腰や下肢の脱力感、腰が疲れ易い、めまい、手足のほてり、潮熱、寝汗などを伴う。
舌質は紅、舌苔はないか薄黄。滋陰補腎・壮腰止痛
◆痛み項目◆頭痛、神経痛(三叉神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛)、慢性関節リウマチ、関節痛(膝・ひじ・肩・手首・足首・股関節・首)、腰痛
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