「漢方な話」
●過剰な水分停滞を解消●
めまいと耳鳴りを主な症状とする病気に、メニエル病があります。西洋医学の研究によって、メニエル病の原因は内耳の平衡器官に過剰なリンパ液がたまることだと分っています。
問題は、どうして内耳にリンパ液が溜まるのかということです。中国医学では、体内のどこかに過剰な水分が停滞する状態を”痰飲水湿”といい、日本の漢方では、”水毒”などと呼んでいます。
この過剰な水分の蓄積は、体内で水分をコントロールしているいくつかの内臓に異常があることを示しています。
水分はまず口から取り入れられます。中国医学では、これを五臓のうちの”脾”(消化器系)の働きによるものとします。また”肺”(呼吸器系)は、体内の水分の流動を活発にします。そして最も重要なのが、水の臓器とも呼ばれる”腎”(泌尿生殖器系)です。
以上の三臓の働きを改善すると、水分の巡りは良くなり、一定の場所に停滞した水分も循環を回復し、水のたまりは解消されます。
よく用いられる処方は、「苓桂述甘湯」で、これには脾肺腎の働きを良くする作用があり、無理のない穏やかな利尿作用で、特に頭部の過剰な水分を除去する効果があります。
なお、多くのケースで症状が長期化しているため、目の疲れやかすみ、耳鳴りや難聴などを伴います。五臓のうちの”腎・肝”を強化する「己菊地黄丸」や「耳鳴丸」などを併用すれば、治療効果が高まります。
あるいは血液の循環を改善して肩こりや頭痛、冷えなどを除く目的で「冠脈通塞丸」のような血行改善剤を用いるとよい場合もあります。
このほか、めまいには貧血や低血圧によるものもあり、耳鳴りの多くは腎の衰弱が原因です。
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