「漢方な話」
●脳の栄養剤、眠りも深く●
眠れぬ夜を過ごすのはつらいことです。強い睡眠剤に手を出したくなりますが、慎重にしたいものです。
人はもともと夜になると眠る生物です。そのバイオリズムさえ取り戻せばよいのです。まず、朝の太陽にあいさつして眠りと覚醒のタイマーをリセットし、散歩などの軽い運動をします。その上で、体に合った漢方薬を選んで用いましょう。
漢方薬は眠りを強制するのではなく、いわば脳の栄養剤であると考えられ、習慣性も副作用もなく安心です。服用方法も就寝前ではなく朝昼晩で、昼間は眠くならず、頭脳の働きはむしろ良くなり、スッキリします。
睡眠は生活のリズムですから、全身の内臓やストレスなどの影響を受け、人によって不眠の原因も異なります。よく使われる処方と、選び方のポイントを挙げてみましょう。
「酸棗仁湯」と「加味肖遥散」または、「柴胡加竜骨牡蛎湯」の併用。この組み合わせは、精神の緊張が強くストレスに過敏で、イライラいやすい人に用います。五臓(肝、心、脾、肺、腎)のうちの”肝”の働きを助け、脳にきれいで栄養豊な血液を送り、眠りを深くします。
柴胡加竜骨牡蛎湯は、鎮静作用のある竜骨(化石)と牡蛎(カキの殻)を含み、より緊張しやすい人に用います。
高齢者に使うことが多いのが「天王補心丸」。老化による脳の衰えを補い、健忘や不安感があり、寝床に入ると動悸がして頭がさえて眠れない、口の中が乾く、足腰がだるいなどの症状がある人に適します。
胃腸など消化器系の弱い人は、小さいことが気にかかって不眠になりやすいもの。こういう人は、胃腸を強め、増血する「帰脾湯」類を用いると眠れるようになります。
体質・症状・原因に合った漢方薬で快適な睡眠を!
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