漢方専門 川上薬店
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黄体機能不全や卵巣機能不全の不妊治療

不妊治療を始めるにあたって病院で様々な検査を病院で受けられると思います。

その中でも黄体機能不全と言われた方に、漢方薬(中医学)ではどのように考えて治療するのかを解説していきます。

黄体機能不全、脳下垂体の働き

黄体機能不全ってなに!?

よく黄体機能不全と耳にすることがあると思いますが、実際どういう影響があってどうすればいいの!?と思った方もいらっしゃると思います。

ここでは黄体機能不全が妊娠に与える影響についてのお話をいたします。

黄体機能不全とは?

黄体機能不全を説明するためには黄体ホルモンが何なのかというのが必要になってきます。

黄体ホルモンと言うのは、排卵後から次の月経(高温期)までの間に多く分泌されるホルモンです。

この黄体ホルモンの役割というのが、子宮の内膜を厚くする役割を担っています。

では次に生理周期とホルモンについてお話します。

また、生理が始まると同時に卵胞刺激ホルモンというホルモンが分泌されて卵胞が成長を始めます。

そして少し大きくなってくるとエストロゲンというホルモンを分泌し始めてどんどん成長します。

こうして卵胞が成熟していき、大きさがピークになると(月経開始後約2週間)エストロゲンが黄体化ホルモンの放出を促し、

排卵をします。排卵をされた後の卵胞は黄体となり、黄体ホルモンを分泌し始めます。

この黄体化ホルモンが放出されると、今度はエストロゲンが減り始めプロゲステロン(黄体ホルモン)の

分泌量が増え始めます。

こうして子宮内膜は厚くなり、着床の準備をします。

着床・妊娠にはこの子宮内膜が重要で、赤ちゃんを育てるベッドになるわけですから、

当然薄いよりは厚い方が赤ちゃんもすくすくと育てる事が出来るわけです。

黄体機能不全の方は、

・黄体化ホルモンの放出が少ない(弱い)

・黄体ホルモンの分泌が少ない

という事になり、基礎体温表も低温相から高温相への移行が緩やかであったり、高温期が10日未満、低温相と高温相の差があまりない(0.3℃以下)という事が起きてしまいます。

黄体機能不全の方の治療

では実際の治療においてはどのように治療していくのでしょうか?

ここでは西洋医学での治療と中医学(漢方薬)での治療についてお話していきます。

西洋医学での黄体機能不全治療

黄体機能不全、ホルモン剤

西洋医学での治療では、「不足しているホルモンを補充しよう!」という事で主にデュファストンやプロベラなどが黄体ホルモンの補充薬として使用されるようです。

これをホルモン補充療法と言います。

黄体ホルモンを補充することで、子宮内膜を厚くしたり、妊娠の継続に役立てようという治療方法です。

実際に臨床では、何もしないよりは2~3%ほど妊娠率は上がったとのデータがあります。

今すぐに子供が欲しいから出来ることは何でもする!という方はこちらの補充療法と漢方薬の併用がお薦めです。

中医学(漢方薬)での黄体機能不全治療

黄体機能不全、漢方薬

一方、中医学(漢方薬)での治療では、黄体機能不全だけを治すという事はしません。

中医学において「腎」というのは生殖をつかさどるとされており、不妊症と「腎」とは密接な関係があります。

中医学の不妊症の治療は月経を正常に戻す作業が大原則となります。

月経というのは子を授かるために必要な生理現象であり、ここが乱れていると妊娠する確率は落ちてしまいます。

逆を言えば月経を正常に戻す事が出来れば妊娠の確率を大幅に上げる事が出来ます。

月経を正常に戻すために、黄体機能の働きが弱くなってしまっているだけであればその働きを強める漢方薬だけを処方することもありますが、大半の方は他の要因も絡みついて月経が乱れてしまっています。

現代社会におけるストレスであったり、第一子出産による体の「気」「血」不足であったり、その方によって様々な原因があり黄体機能が低下してしまっている事例がほとんどです。

近年の晩婚化による出産年齢の増加も背景にあったりします。

女性は35歳を機にホルモンの分泌や生殖機能が低下し始めてしまいます。

この場合には動物生薬をしっかりと飲まなければならないため、予算も少し高くなります。

不妊治療の保険適用と漢方療法

不妊治療、保険適用

令和4年4月に不妊治療が保険適用になり、今まで高額となっていた不妊治療費が3割負担で済むようになりました。

ざっくりいうと、今までは顕微授精までするとなると100万円前後かかっていたものが30万円で済むようになりましたよ!ということもあり、金銭面で体外受精や顕微授精をためらっていた方が受けられるようになったため、不妊治療をしている方にはかなり有難いとの声が多く聞かれます。

これにより、気軽に高度生殖医療を受けられるようになりましたが、妊娠率は上がったのかというとそうではありません。

体外受精や顕微授精は卵管閉塞などの物理的な要因があり自然妊娠が不可能な場合や精子の運動率や直進率が絶望的に低いなどの場合には非常に有効的なのですが、卵子の質が低かったり膣内の状態が悪かったりする場合にはせっかく作った受精卵を移植しても育たないという事が起きてしまいます。

当店に子宝相談でご来店される方に、作物を育てるときには種だけ植えても駄目で、土壌がしっかりしていないと作物は育ちきらないという事をお話いたします。美味しい良い作物を育てるためには畑を耕していい土を作ってから種を植えて、しっかりと栄養を与えて日光に当てることで美味しい作物は出来るんです。なので、特に検査に問題が無いけれども人工授精をしても上手くいかない方には、まずはしっかりと妊娠をするための体づくりをした後に、人工授精をしていただくようにお話しております。

晩婚化に伴い、第一子の出産年齢が上がってきているので、焦っていらっしゃる方も多いですが、人工授精や体外受精などをすればするほど体のエネルギーを使ってしまいますので、闇雲にやらずに体づくりも並行して行う事をお勧めいたします。

 

保険適用になって今までよりも不妊治療にかける金額が減った分、自分の体と将来生まれてくる子供を丈夫にするためにお金をかけても、パートナーなら理解を示してくれるはずです。

 

当店に子宝相談にいらっしゃるときはご夫婦そろってご来店いただく事をお勧めいたします。

男性は身ごもる側ではないので、理解や自覚が女性に比べると格段に遅いです。

ですので、これを機に勉強していただきたいという気持ちも込めてご夫婦そろってご来店いただければと思います。

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