お客様は、繰り返す発熱と喉の炎症にお悩みでご来店されました。
20年以上前から毎月の発熱・のどの炎症があり、 喉は赤く腫れてしまうとのことです。
10年ほど前に肺の病気を患ってしまい、手術で肺の2/3を切除し、それから動悸や息切れがするようになり、
発熱も悪化するようになってしまった。
繰り返す発熱はただの風邪ではありません
普段から疲れやすく、眠りも浅い。
食欲は普通。
40代で病院に行き更年期と診断され、
50代の時にうつと診断される。
肺の気の不足と腎の精の不足判断し、療方昇陽と鹿茸大補湯を処方しました
来店いただき、丁寧に症状を伺いました。原因は、「もともと肺が弱かったことに加え、肺を切除してしまったことによる肺の気の不足」と「出産による気血精の消耗」と判断し、療方昇陽を1日3回服用していただくように処方いたしました。
これは肺の気が不足するとオーバーヒートのような状態になってしまい発熱するという状態を、中医学では「気虚発熱」といいます。たびたび起こる発熱はこのためであると考えます。
胃腸に元気がなく、風邪を引きやすいなどの虚弱体質の方によく使用する漢方薬です。
腎の精を補ってくれる漢方で、不妊症や不育症、子供の発育不全、壮年期以降の健康維持など、様々な症状に使われます。
経過
服用後1か月・・・特に変化はなし
服用後2か月・・・1回発熱があったがいつもより楽だった。食事も普通にとることができた。
服用後3か月・・・熱は出なかった。しかし毎年冬になると息苦しくなって気力がなくなってしまう。
ここで療方昇陽に加えて補気升陽も服用していただく事に。
服用後4か月・・・1~2日熱は出たがしんどくなかった。のども早く楽になった。
少し良くなってきたので黄耆の末を少し加味して経過を見ます。
服用後6か月・・・のどの痛みが少しあったが、3か月程熱は出ていない。
繰り返す発熱や咳に関してのアドバイス
この方は20年以上発熱を繰り返しているということでした。
西洋医学では風邪としか判断できず、対症療法として解熱剤や抗炎症薬、咳止めなどを処方するしかありませんが、繰り返す症状・慢性的な症状に対しては根本から治してあげることで症状を出なくするということが可能です。
そのためにはその方の生活の背景や体質などをきちんと把握して、正しい漢方薬を処方することが大切です。
この方の場合ですと、過去に病気で肺を切除していることで、本来の肺の機能が果たせていないということが原因としてあります。ですので肺の気を大いに補ってあげることで治療をしていきます。
また、症状が出てしまった時に飲むお薬も役割が微妙に違います。熱はあるのか・ないのか。もし熱があれば、その熱は高いのか・微熱なのか。こうした微妙な違いもきちんと説明をして、つらい症状が早く良くなるように一緒に処方いたしました。
もし他に似たような症状でお悩みの方がいたら是非当店までご相談ください。
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