【来店でのご相談】不安感・腹痛

年末からストレスを感じることがあり、不安や腹痛・食欲不振などの症状が出てしまった20代の男性の方でした。

数年前に１度当店にご来店いただき漢方薬を飲んだところ、改善したということがありましたので今回も相談してみようという事でご来店いただきました。

ストレスが胃や腸に来たりする方は年齢にかかわらずいらっしゃいますが、そういった方は小さい頃からすぐお腹が痛くなったり、下痢をしてしまったり、嘔吐をしてしまうなどのストレス性胃腸炎をお持ちの方が多い傾向にあります。

この方も、小さい頃から何かあると嘔吐や腹痛を繰り返していたようです。 

ストレス性胃腸炎と診断されたことはないけど、ストレスによって嘔吐・腹痛などが引き起こされる場合はストレス性胃腸炎の可能性が高いです。

西洋医学では、嘔吐や腹痛などの今出ている症状に対してのお手当て（嘔吐であれば吐き気止め、腹痛であれば痛み止め・胃粘膜保護剤など）になってしまいますので、繰り返し症状が起きてもお薬は変わらない・もしくはより強い薬に変えていくという事になってしまいます。

中医学・漢方薬では、胃腸を立て直すことによって多少のストレスでは負けないように強化していくという治療方法を取ることが多いです。（もちろんその人の体質や状況を鑑みて治療方針を変えることもあります。）

ご本人の体質としては

・虚弱体質

・食欲も無い

・好き嫌いが多い

・胃腸が弱い

といった状態でした。

元々弱い体質だったところにストレスを受けたせいで今回のような不安感や腹痛が生じてしまいました。

来店いただき、丁寧に症状を伺いました。原因は「脾虚肝乗・肝気鬱結」と判断し、補気昇陽・疎肝理気・養血をして胃腸と自律神経を整える漢方と何かの時には救急的に飲める安神薬を飲んでいただきました。

服用後１０日・・・服用後３日ほどで胃痛が治り、４日目には不安感も無くなってきて食欲も出てきた。

服用後１か月・・・不安感は無くなり、胸を締め付けられる感じも無くなった。未だに極度の緊張があると腹痛はあるが、平時は何事もなく過ごせるようになってきた。

現在は量を調節しながら継続的に服用していただいております。

この方の場合は元々の体質的な胃腸の弱さがありましたが、胃腸が弱いというのは先天的なものと後天的なものの２パターンあり、現代では圧倒的に後者の後天的に胃腸が弱くなってしまったという方が多いです。

これは現代人の食生活や「嫌いなものは食べさせなくてもいい」という風潮も関係していると感じます。

嫌いだからという理由で野菜や魚を食べないと、死ぬわけではありませんが栄養バランスが偏ります。

じゃあサプリで摂ればいいじゃん！という声もあるかもしれませんが、サプリに含まれている成分から「吸収」して「体の中に届ける」のは「胃腸」の役割です。

この「胃腸」が偏食や冷食によって機能が損なわれてしまうと、いくら優れたサプリを摂取してもキチンと吸収できずに体外に排出されてしまいます。

嫌いだというものを食べられるようにするには相当な親の努力が必要ですが、子供のためだと思って頑張りましょう。

話が少しそれてしまいましたが、ストレス性胃腸炎は大体の原因として胃腸の弱さがありますが、中には普段胃腸は弱くないんだけれども、度重なるストレスや極度のストレスによって胃腸炎を発症する方もおります。その方は治療方法が異なってくるので、そこの所の原因はカウンセリングにて詳しくお聞かせいただいております。

胃腸炎に関してはストレス性だけではなく様々な原因がありますので、治療法やお薬も変わってきますが、どんな患者さんに対しても必ずお話をしっかりと聞き、きちんとした漢方薬を出して、患者さんを治す事が私たち漢方の専門家の仕事です。

是非とも一度ご相談ください。