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アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、昭和40年頃から増え始め、現在では、生まれた時からすでになっている赤ちゃんから、30~40代の大人まで幅広い年齢層に広まっています。原因は、ハッキリしたものは確定していませんが、推定できる原因として以下の4つが挙げられます。
1. 自然・環境の変化(排気ガス・水質汚染・化学物質や環境ホルモン)
2. 住宅の改良 (密閉性→風通し良くない→ダニ・ほこり・湿気)
3. 食事の欧米化 (カロリー高い・冷たいもの・生で食べる)
4. ストレスの多様化(教育・リストラ・人間関係)
※ 西洋医学では、ステロイドや亜鉛化軟膏などを使っての対症療法が中心です。
漢方では、体質改善とそれぞれの皮膚の状態に合った内からの治療を行います。
| 型 | タイプ | 症 状 | 
| 湿疹型 (小児に多い) | 1)冷えと湿気タイプ | 四肢の肘・膝の裏→白い丘疹・水疱、かゆみは少ない掻くと希水が出る 舌質:淡~偏淡 舌苔:薄・白・濡れ | 
| 2)熱と湿気タイプ | 頭部・顔面・頚部→紅斑(その上に黄色い疱疹)(耳・口周囲)痒みは激しい、掻くと黄色汁 舌質:偏紅~紅 舌苔:薄黄 | |
| 乾燥型 | 3)カサカサかゆみタイプ | 皮膚はかさつくが赤味はない、かゆみ 舌質:淡 | 
| 4)カサカサ冷え性タイプ | 皮膚はかさつく、寒がり、尿薄長、肌桃色 舌質:淡 | |
| 5)ザラザラやや赤味タイプ | 乾燥して痒い、掻くと点状出血、皮膚少し厚い 舌質:紅~暗紅舌苔:少し | |
| 6)かゆみと赤味がひどいタイプ | 激しい痒み、ザラザラ皮膚肥厚、掻くと血の痕、白い屑ができる 舌質:淡紅~紅 | |
| 7)顔が真っ赤で全身のかゆみがひどいタイプ | 皮膚の紋理(すじ)が消失、皮膚が薄い、うぶ毛・眉毛がない、褐色・黒色の色素沈着、掻かなくても白い屑が落ちる | 
タイプ別治療法
1)寒湿 ▶冷えといらない水を除いて痒みを和らげる
2)湿熱 ▶いらない水と熱を除いて痒みを和らげる
3)血虚無火 ▶潤いと血液を増やして痒みを和らげる
4)血虚生寒 ▶身体全身の元気・栄養を増やして痒みを和らげる
5)血虚血燥 ▶潤いと血液を増やして熱を少しさましながら痒みを和らげる
6)血虚有火 ▶潤いと血液を増やし熱を冷まして痒みを和らげる
7)精虚血熱 ▶生命の根源物質(精)と潤いと血液を増やし、熱を冷まして痒みを和らげる
※ アトピー性皮膚炎は、進行具合にもよりますが、漢方で充分治療できます。
ただし、長い期間がかかることが多く、本人と家族の理解・協力が必要です。軽い状態の場合は1年以内で改善されることが多いですが、重い状態や長年の積み重ねがある場合は、2~3年以上かかる場合もあります。
しかし、きちんと対応すれば、かなり軽快しますので、やってみる価値はあります。
にきび(吹き出物)
にきびは、思春期から30歳前後まで、主に顔面・胸部・背部などの毛嚢に一致して発生する丘疹で、発赤・化膿・結節などが多く見られます。
にきびという病変は表在性にみえますが、内部状態とのかかわりが強い深い病変と考えられ、腰をすえた治療が必要です。
女性で月経不順をともなっている場合には、必ず月経を調整すべきです。便秘が原因のひとつになっている場合も多いので、便通を正常にする事も大切です。
また、最近の傾向として、冷えや冷たい飲み物の取りすぎ(ペットボトルの普及)が原因になっている場合も多いので、摂り過ぎには注意しましょう。
| 状 態 | 症 状 | 治療方法 | 
| 紅色で勢いがつよい | 化膿傾向、圧すると白色の脂状物が排出、かゆみ、痛み、 熱感、口臭、よく食べる、便秘舌苔:黄、脈が強い | 余分な水分・熱・老廃物・便を外に出す | 
| 淡紅色で勢いが弱い | 化膿傾向少ない、むくみ、冷え、月経周期の遅延、月経痛、オリモノ 舌苔:白 脈が遅い | 余計な水分と冷えを除く、生理を正常にする | 
| 紅色で月経前に多発 | 化膿傾向、いらいら、怒りっぽい、ヒステリックな反応、のぼせ、ほてり 舌質:紅 脈が速い | 血の熱を冷まし、良い血液を増やして、自律神経の流れをスムースにする | 
| 淡紅・正常色の丘疹、しこり | 元気がない、疲れやすい、食欲不振、顔色につやがない | 元気をつけてよい血液を養う | 
| 暗色~紫紅色 | 硬結、色素沈着、皮膚の色が暗い舌質:暗紫または黒っぽい斑点 | 古血(粘ちょう性のどろどろした悪い血)を除いて血液の流れを良くする | 
| あごや首にできる | 胃腸が弱い、冷え性、生理痛などがあり、通常のニキビ治療ではまるっきり良くならない | 胃腸を丈夫にし、冷えをとり、生理を正常化する | 
蕁麻疹(じんましん)・湿疹
急性のじんましん
| ケース | 症 状 | 治療方法 | 
| 赤く腫れて熱感がある | 魚介類などで起こることが多い。 紅色の膨疹が全身に発生、強いかゆみと熱感、温まると悪化 舌質:紅 舌苔:黄 | 余分な熱と水分と毒邪を除く | 
| 寒冷じんましん | 淡紅から白色の膨疹が皮膚の露出部に顕著。 寒冷により増悪、寒気、冷え | 冷えと湿気を発散して除く | 
慢性・反復性のじんましん
| ケース | 症 状 | 治療方法 | 
| よく食べよく飲む人 | 大きい赤いじんましん。 強いかゆみ、腹満、便秘、尿が濃い。 口渇、暑がり、肥満 舌質:紅 舌苔:黄色く厚い | 熱を冷まし余計な水分を除き、 毒邪を発散したり便で出したりする | 
| 夜間におきる人 | 赤い大きなじんましん。 掻くとみみずばれ、灼熱性のかゆみ 舌質:紅 舌苔:薄黄色 | 血の熱を冷まし余分な水分と熱を除き、血をきれいにして流れを良くする | 
| 疲労時に出る人 | 淡紅の膨疹が反復、かゆみ、元気がない、疲れやすい、皮膚につやがない、食欲不振 舌質:淡 | 元気と栄養のある血液を増やす | 
| 圧迫部に発生 | ブラジャーやショーツなど皮膚の圧迫部に起こる。 暗紅色の皮疹。皮膚がどす黒い。 口唇が紫っぽい、黒っぽい斑点 | 悪い血を除いて血流を良くする | 
| 寒がりの人 | 常色の膨疹、軽度のかゆみ、元気がない、寒がる、四肢の冷え 舌質:淡で大きめ 舌苔:水っぽい | 体を温めて余分な水分を除く | 
※ 湿疹もじんましんとほとんど同様です。
ただ、化膿していたり、治りずらいものは、個々の診断が必要です。
おでき
| ケース | 症 状 | 治療方法 | 
| 赤く大きなおでき | 痛みがあり、腫れて単独でできます。 細菌性のものと、毒性のものがあります。 熱感、口渇をともなう場合が多い。 | 膿や毒を外に出して、余計な熱を冷ます | 
| 固く黒っぽいおでき | やや慢性的なもの、押すと痛い場合と痛くない場合がある。 痛いものは、血流が悪いのが原因で、痛くないのは、血豆のようなものです。 | 血液の流れを良くして、古い悪い血を除く | 
イ ボ
イボは、固いもの、やわらかいもの、大きいもの、小さいものといろいろありますが、基本的には、皮膚の表面の水分代謝障害と考えます。体質的な問題があれば、それを改善することが大切ですが、漢方でかんたんに気軽にできる治療法として、「ヨクイニン」があります。「ヨクイニン」とは、「はとむぎ」のことで、煎じてもいいし、お茶のように飲んで戴いても良いです。めんどくさい人は、顆粒や錠剤もあります。気長にやるのがポイントです。
痔(ぢ)
痔疾患の主な原因
1. 同じ姿勢を長時間続ける
2. 産後、直腸に付加がかかる
3. ストレスや冷えで血流が悪くなる
4. 内臓が下垂している
5. エネルギーや栄養不足
症状別治療法
| ケース | 症 状 | 治療方法 | 
| 切れ痔 | 出血、痛み、腫れ、便秘、排便の後紙に血が付く | 血を止める、血の熱を冷ます、排便を楽にする | 
| いぼ痔 | 肛門の横にいぼができる、触ると痛い、疲れると悪化 | 血液の流れを良くして、鬱血した悪い血液を除く | 
| 脱肛 (出痔) | 直腸の一部が肛門の外にはみ出す、内臓下垂、痛み、 時に出血、疲れやすい、すぐに座りたくなる、胃腸が弱い | 胃腸や内臓に元気をつけて、はみ出さない力をつける | 
| かゆ痔 | 肛門がかゆい、腫れる時もある、 お酒を飲みすぎたり、辛いもの油っこいものを食べ過ぎると悪化する | 体にある余分な熱や水分を除いて、痒みを止める | 
※ 痔の治療をするとき生活面で大切なこと
1. できるだけ同じ姿勢はとらないように気をつける(軽く体操)
2. 便秘しないように根菜類をきちんと摂り、飲食に節度を持つ
3. 香辛料は適度に摂る(一般には、刺激物は避けるようにいわれているが、香辛料は腸の栄養剤で、消化を助け便秘をしなくなる。出血中は避ける)
4. 下半身やお腹を冷やさないように注意する(特に女性、冷たい飲料注意)
5. お風呂にゆっくり入ってリラックスする

 
                 
                 
                


 
    




 
    
